大学の単位認定は甘いが、研究室内での品質管理はもっと甘い。
甘いというか、明確な規制が何もない。

唯一の外部評価とも言えるのが、論文の匿名での査読。

日本語雑誌やマニアだけの小さな雑誌では、実質的に査読の匿名性は保証されず、
仲良しグループの認め合いに終始する。そのグループに入れなければ論文は理不尽に批判され、お蔵入りする。
なので、ある程度メジャーで、査読者の匿名性が保証される雑誌を選ばないといけない。

しかし、メジャー雑誌でも編集局のリサーチ能力が低いと、専門分野外の査読者が審査して、
専門家なら絶対にやらない間違いをスルーしてしまったりする。

これらの条件をクリアできそうなのは、NatureやCellあたりの有名雑誌だ。

有名雑誌だけに山師が捏造論文を送りつけてくることも多い。
しかし、捏造論文の追試がわざわざ行われる可能性が高いのも、このあたりの有名雑誌。

ポスドクやテニュアトラック教員の任期は、有名雑誌に載った論文が
追試によって確認されるまでの待ち時間だと捉えるべきだろう。

ちなみに査読者もNatureやCellの常連クラスでないと、どの論文がNatureやCellに値するのか見当もつかず
やみくもにリジェクトのコメントを書きたがる。こういうのはポスドクとしても使えないので首にするのが良い。