日本の科学技術研究をリードする理化学研究所で、大規模な雇い止めが迫る。
研究アシスタント、事務業務員ら365人が雇い止めの対象となる。
2013年4月に施行される改正労働契約法の影響で、
同法では、有期雇用が5年を超えれば労働者が無期雇用に転換できる
「5年ルール」が適用されるのだ。
不当労働行為の救済を申し立てたが、契約満了には間に合いそうにない。
対象者の怒りの矛先は、使用者だけではなく、法律にも向かった。

 研究員のイイダさん(男性・51)は理研の正規職員だ。
自身の研究室でも研究アシスタントが3月で雇い止めになる。

「アシスタントは研究室を支える仕事で業務は多岐にわたる。
外部との連絡調整もあり、蓄積された経験や人脈は大切で、簡単に代替えがきくものではない。
人事部に辞めさせられると困ると伝えたが、駄目だった」

 イイダさんだけの意見ではない。記者は今回、3月で雇い止めになる有期雇用職員9人に話を聞いた。
8人が、自身、または近い知人が「6カ月たったら戻ってきてほしい」などと上司から言われたと明かした。(編集部・澤田晃宏)