経済安保政策を追う(上) 省庁横断「経済班」が司令塔
コロナ対策や技術流出防止 縦割り排除、橋渡し役に
ttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO59899990S0A600C2EE8000/
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 経済・安保一体で政策立案する視点が乏しかったことの弊害は大きい。
 たとえば軍事転用できる技術を特許出願しても情報は公開しない「秘密特許制度」。元海将の伊藤俊幸・
金沢工業大教授は「こうした制度がないのは20カ国・地域(G20)で日本とメキシコだけだ」と指摘する。
 政府内には「日本のウラン濃縮技術の特許を北朝鮮が入手し、核開発を進めたのではないか」との見方も
ある。制度の導入を検討したこともあったが特許政策は特許庁、安保政策は防衛省などと縦割りが根深く、
本格的な調整に至らなかった。

経済安保政策を追う(中) 狙われる先端技術 ロボやバイオ買収阻止 大学経由の流出に危うさ
ttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO59944600T00C20A6EE8000/
 海外流出を阻止すべき日本の技術とは何か。デジタル経済発展の核となる人工知能(AI)と5Gに加え、
経済安保政策に関わる政府関係者が「中国に狙われている」と警戒するのが、ロボティクス(ロボット工学)と
バイオテクノロジーだ。

 日本は日本企業への外資規制を強化する改正外為法を6月7日に全面適用する。外資が株式を取得するの
に必要な事前届け出の対象を持ち株比率で「10%以上」から「1%以上」に広げる。上場企業の56%にあたる
2102社に網をかけ、このうち特に国の安全保障に大きく関わる518社は重点審査の対象にした。
 米国は外資による買収規制を大幅に強化する新法を2020年に本格施行した。トランプ政権は日本政府にも
技術流出を防ぐ厳しい対応をとるよう水面下で求めており、これが外為法改正につながった。政府高官は
「中国企業による買収阻止が狙いだ」と率直に語る。
(続く)