0053Nanashi_et_al.
2018/05/18(金) 16:43:10.95高専本科卒は、(1)初職の企業規模(51頁図5)、初職の職種(51頁図6)が国公立大学に近いとされているかむしろ国公立大卒よりも開発設計以外の技術職への配置が10ポイントも多いとされているにもかかわらず
(なお、高専卒のほうが国公立大卒よりも1000人以上の規模の企業への就職率が3ポイントほど高い)、
(2)給与が、国公立大学より、@25歳から30歳まで64万円、A31歳から41歳までで28万円、B42歳から52歳までで40万円も高いのである。
ところが、53歳から59歳まででは、国公立大卒が11万円高くなる。
しかも、国公立大卒にはサンプルデータが少ない関係上「院卒」も含めて計算しているにもかかわらずである。
これは明らかにおかしいか、新発見である。
無論、著者は、高専卒のデータが高い方に若干偏っているのではないかという点を割り引いて,高専卒の収入は国公立大卒にほぼ匹敵し、
さらには、大企業・技術職への就職のしやすさを介して,一般的には良好な職業キャリアを約束してくれルートを提供していることを調査結果は示していると結んでおり(52頁)、慎重な姿勢を示してはいる。
もちろん、学部卒サンプル数の問題も含めて、しかるべき手法によって統計処理をすれば、矛盾のない結果が出ることぐらいは、著者こそ専門家として十二分に理解してはいるだろう。
しかし、このアンケートに答えた者が、たまたま高専本科卒の上層なのではないか、かなり多めの額を回答しているのではないか、ということは十分に疑ってよい。
そして、この素のデータを堂々とさほど批判的に見ずに掲げてよいものかに疑問を持つ。