・燃素

フロギストン説
物が燃焼する際に熱や光を放出して軽い灰が残ることの説明として
「熱素(フロギストン)」が放出されるという説があった。
物が燃えた後の空気中では「フロギストンが多いため」生物が生存できず、
逆に「フロギストンの少ない空気」は物を良く燃やし、生命活動も活発になることが示された。

のちに、金属の場合は燃焼後に質量が増えること、密閉容器中では質量が変化しないことから
「物質中のフロギストンが放出される」のではなく「空気中のある成分が物質と結合する」という説明がなされた。

金属の燃焼による質量の増加を説明するために「フロギストンは負の質量をもつ」という説明も試みられたが
「負の質量」の証明が出来ず、「物を燃やすと軽くなる」というそもそもの出発点と矛盾してしまうために
フロギストン説は説得力を失った。

現在では「酸素が物質と結合する」ということで燃焼を説明している。
(ただし、酸素に限らずハロゲンとの反応も「燃焼」と呼ばれるように、その概念は拡張されている)