無署名:社会・文化●情報カプセル STAP細胞めぐり 理研と文科省が「50億円密約」
『選択』2014年07月号 p98,July 2014

 STAP細胞をめぐり、理化学研究所と文部科学省の間に
「密約」が存在していたことが明らかになった。
 1月末の大々的発表が行われた時点で「STAP研究に年間5億円、
10年で50億円の予算を追加的に配分する」という内容で合意
していたという。
 これを主導したのが、理研発生・再生科学総合研究センタ-
(CDB)の笹井芳樹副センター長だ。CDBのある研究者は
「笹井氏が文科省への根回しを主導し、理研CDBを
STAP細胞研究拠点とすることを呑ませた」と証言する。
 笹井氏はCDB全体の予算を担当していたという。
「STAP細胞で総額50億円を獲得することで笹井氏の地位は
揺るぎないものとなるはずだった」(同僚研究者)のだ。
笹井氏は疑惑発覚後に、小保方晴子氏の博士論文の画像使い
回しを知りながら理研調査委員会に報告しなかったとして
「責任は重大」と指弾されている。これも「文科省から
巨額予算をだまし取ったとなれば研究者生命が断たれるため、
小保方氏を庇うしかなかった」(同前)という事情があった。
 笹井氏には厳しい処分が予想されるが、小保方氏一人に
責任をなすりつけようとした理研はもちろん、文科省が
安易に予算を差配できる現在の科学研究費systemにもメス
を入れる必要がある。