ATP換算で人体への栄養素の影響を考えてみる

放射線の影響、たんぱく質の変性を起こす(β線、α線)と考えると
細胞にとっての追加の負担がいかに大きいか、ということがわかる

ミトコンドリアは細胞に詰め込まれているので、粒子線(β線、α線)が放射されれば
ほぼ間違いなく影響を受ける、影響を受けるとは膜に穴が開くとか、たんぱく質に直撃・破壊されること
エネルギーの大きなβ線であれば、100個近くの細胞を貫通し、ミトコンドリアも壊す事になる
ミトコンドリアが壊れれば、ATPの生成量が減ることになる

ATPの生成量(1日) … 60〜100kg(1細胞1000万分子毎秒)

リボソームの生成 … ATP消費量不明
グルタチオンの生成 … ATP消費量1つあたり 10(ペプチド結合2つ)
メタロチオネインの生成 … ATP消費量1つあたり 約300(ペプチド結合60くらい、分子量6000〜7000)
HSP70(分子量7万)の生成 … ATP消費量1つあたり 約3000(ペプチド結合600くらい)

グルタチオン等の酸化を戻す … ATP消費量1か1ケタ(1分子あたり)
分子シャペロンによる修正(引き伸ばしタイプ) … ATP消費量1(1分子1回あたり、なお数回引き伸ばしが必要な場合もある)
分子シャペロンによる修正(ほどくタイプ) … ATP消費量はたんぱく質の分子量に依存

細胞内でのフリーラジカル対策として、グルタチオンが活躍している
たんぱく質の修正に分子シャペロンが活躍している
これらの手段は、新たにたんぱく質を合成するよりもコストを抑えて対応ができる
たんぱく質を壊してしまう放射線、α線とβ線は体細胞のATP需要を増大させる

○抗酸化効果、食事での摂取はあくまで補助的なものだと理解できる
ATPよりグルタチオンの方が分子量が多い点、生成されたATPの0.01%(1万分の1)が使われると仮定しても
グルタチオンの生成量は1日で10グラム前後の量になる、抗酸化の栄養素を摂取する効果を
過大に評価しすぎないように注意したい
なお、ビタミンCなどもATPを利用して繰り返し使われる点はグルタチオンと同じだが
例えばビタミンCはコラーゲンの生成にも使われるなど別の役割もある