細胞で DNA の二重鎖切断が起きた場合の影響について

・細胞分裂をする細胞を幹細胞といい、全体の数%が該当する。人体の細胞はほとんど細胞分裂しない細胞である
・DNA にはたんぱく質生成に使われている部分と使われていない部分がある(使われているのは10%程度といわれている)
・分裂しない細胞は、DNA二重鎖切断が起きても活動し続けることができるが
 たんぱく質生成に使われている部分が失われると、その機能も失われ異常な状態になり悪影響を及ぼすか細胞死に至る
・幹細胞は細胞分裂のために DNAの複写がされるため、二重鎖切断が起きても修復できる場合がある

<補足>
細胞内の小器官はたんぱく質を元に作られる(酵素も)
そのたんぱく質の作り方が記録されているのが DNA であり、必要な部分が RNA として複写され使われる

人体の体細胞では、細胞分裂時に DNA が不具合を持っていると細胞死を引き起こす(増殖死だったか、うろ覚え)
※不具合の内容によっては DNA の突然変異 として生き残る場合もある

例外的に?白血球の細胞については、増殖死ではなく DNA に不具合がある場合アポトーシス(自発的な細胞死)を起こすらしい

人体内の組織は、細胞分裂をする幹細胞(組織毎にあると考えられ、組織幹細胞)と役割に特化した分裂しない細胞がある
幹細胞は全体の 数% 程度と考えられており、すなわちほとんど細胞分裂しない細胞で構成される(ただし成人に限る)

分裂しない細胞は、DNAの二重鎖切断が起きても直ちに死んでしまうわけではない
細胞の活動で使われる DNA というのはごくわずかで、その部分が無事であれば活動を続けることができる
これが、内部被曝してもすぐに症状が現れない理由だろう

もしDNAの二重鎖切断が起きた場所が、細胞内で使われる1つ以上のたbマく質と関連bオていたらどうbネるか?
p53たんぱく質(がん化阻止)やなんらかの酵素などが細胞内で作れなくなったとしたら?
細胞の活動は異常なものとなるだろうが、直ちに細胞死に至るわけではないだろうと思える
幹細胞の DNA が健全に保たれていれば、細胞分裂しない体細胞はいづれ幹細胞が新たに作り出した細胞で置き換わる

この点についてオートファジー(自食作用、このスレでは再利用と書いてきた)の研究がここ数年で急速に進んでいるようで
いろいろなパターンがあることや、関連する DNA の一部が明らかになっている
関連する DNA の一部が欠けている場合に、実際に細胞活動に違いが生じることなどもわかってきている
細胞の中でも、長生きする神経系の細胞や心筋の細胞については、長期間の被曝で影響(DNAの変化)が重なっていくのかもしれない

>>94
DNA二重鎖切断の場合、糖鎖の結合を切断することが多くなります
フリーラジカルとしては溶け込んでいる酸素の影響が大きいといわれています
β線1本で影響の出る体積、というのもβ線の影響を考える上では重要な要素と思います
計算は面倒そうですが、細胞のサイズ、細胞核のサイズとβ線のエネルギー密度( >>81 )で
放射性物質ごとのフリーラジカル生成量、DNA二重鎖切断の数の目安を求められそうです