これが本当のトルーマンの言葉

国立国会図書館

1-4 トルーマンの日本国民に対する声明 1945年5月8日

ドイツが降伏した1945(昭和20)年5月8日にハリー・トルーマン米大統領が発表した対日声明文は、トルーマンの写真付きで日本語に訳されビラとして投下された。トルーマンは、日本国民と軍部とを明確に区別しながら、日本軍が無条件降伏するまで攻撃を続けると警告した。同時に、日本軍の無条件降伏は、日本国民の「抹殺」や「奴隷化」を意味するのではなく、むしろ日本を「破滅の淵に誘引」している軍部の消滅、前線で戦う兵士たちの「愛する家族」のもとへの復帰、そして「現在の艱難苦痛」の終わりを意味すると説いた。


テキスト本文



日本国民諸氏

アメリカ合衆国大統領ハリー・エスツルーマンより一書を呈す

ナチス独逸は壊滅せり 日本国民諸氏も我米国陸海空軍の絶大なる攻撃力を認識せしならむ

貴国為政者並に軍部が戦争を継続する限り我が攻撃は愈々その破壊及び行動を拡大強化し日本の作戦を支持する軍需生産輸送その他人的資源に至る迄徹底的に壊滅せずんば熄まず 

戦争の持久は日本国民の艱苦を徒らに増大するのみ 而も国民の得る処は絶無なり 我が攻撃は日本軍部が無条件降伏に屈し武器を棄てる迄は断じて中止せず 軍部の無条件降伏の一般国民に及ぼす影響如何 

一言にて尽くせばそは戦争の終焉を意味す 日本を現在の如き破滅の淵に誘引せる軍部の権力を消滅せしめ前線に悪戦苦闘中なる陸海将兵の愛する家族農村或は職場への迅速なる復帰を可能ならしめ且又儚なき戦勝を夢見て現在の艱難苦痛を永続するを止むるを意味す 蓋し無条件降伏は日本国民の抹殺乃至奴隷化を意味するものに非る事は断言して憚らず