−−−

僕は・・・見失っていたんだ。
大事な、大事な「何か」を見失っていたんだ。

いつ・・・だったのか?
どこで・・・だったのか?

とにかく僕は、
大事な「何か」を「見失っていた」んだ。

かつて・・・僕は・・・
一振りの「剣」を手にしたんだ。

僕は「剣」を手にした喜びにかられて、
とにかく夢中になって「剣」を振るい続けたんだ。

それはもう・・・最初は・・・
周りから「称賛の眼差し」を僕に向けられたもんだ。

数多くの「敵」を「討ち倒した」のだから。

だけど・・・だけど・・・
だんだん・・・だんだんと・・・

周りから「恐怖の眼差し」を向けられ・・・

周りから「罵声」を浴びせられ・・・

1人・・・また1人・・・
「僕の味方は去って」いき・・・

挙げ句の果てに、
僕の周りは「誰も居なくなってしまった」んだ・・・

−−−
此処に書き記すただ一つの世界(scene) "独白-剣"
2022/03/03(2024/05/07再掲)
written by stranger-criminal coin