そして、この仲の良い秀明教会とA教団は、同時にT・S氏の指示を仰ぎ、同時期に離脱をしました。そのため、A教団の中で教えられている信仰観と秀明の離脱の神意は非常に似ているところがあるのです(詳細は後述)。

今回のT・S氏の話は、このA教団のある先生を初めとして当時を知る様々な人たちから聞いた情報をもとにまとめられています。それらの人たちの間には互いに面識も、秀明で共通する利害関係もありません。すなわちこの事からもこれらの証言は限りなく真実に近いと判断出来ます。聖教書に書いてある言葉を借りると、「否定は不可能」のレベルに達していると思いました。

なお、A教団においてはT・S氏の存在は秘密ではなく、先日、機関誌(秀明会で言う「楽苑」、いづのめ教団で言う「季刊いづのめ」にあたる冊子。)にもその名前が(初めて)掲載されました。信者全員周知というわけではないですが、A教団においてT・S氏は「離脱を指示してくれた恩人」として一部の人に知られた方です。秀明会も、初めから離脱の経緯をA教団のように正直に言えば問題はなかったのですが、会主様命様は真実をありのまま伝えることよりも、離脱の神意などという独善的に作られた物語を信者に徹底的にひろめることのほうを選ばれたようです。

まあ本当はこの話も世間的に見ると「社長や政治家が、経営方針や政治の方向性を占い師に相談をしに行く」ことと同程度の、よくあることだったのかも知れません。しかし「離脱の神意」で会主様命様を必要以上に祭り上げてしまったため、世間的には大した問題ではないかも知れない本件も、「離脱の神意最大の謎(笑)」となってしまったのです。

現在、A教団の会長が亡くなり二代目になってからは神慈秀明会とA教団との交流は無くなりました。また、T・S氏は、昭和40年代後半に亡くなっているそうです。