「光の中へ」
作.手ぶlove

長閑な風景の田舎町に戦火が飛び交う中
志願兵の私は塹壕に身を屈めて前方の森を見つめている。

私は何故志願したのだろうか
このろくでもない人生に終止符を打ちたかったのか…それとも輝きを求めていたのだろうか。
ただ、はっきりしているのは多くの死体が無惨にも転がっている光景を嫌というほど目にしたということだけだ。

目と鼻の先で黄色い花の周りを蝶々が舞っている。戦争とはまるで関係なくヒラヒラと舞う蝶はこの世のものなのだろうか
と疑いを持つ程、優雅に舞っていた。

その時、森の奥から砲撃音が鳴り響き
すぐそばの民家を砲弾が直撃した。
屋根が吹き飛ばされ窓ガラスか木っ端微塵に砕け散った。その瞬間、悲鳴がした。

「人だ!クソッ!民間人か?」

私は着弾した民家へ向かおうと塹壕から飛び出した。

「戻れ!!」
小部隊の隊長が叫ぶ中、
私は無心に走った。

つづく。

パチン☆!!
https://youtu.be/wAvfrhr8LO0