読売新聞 1987年1月11日、
「“違法密教食”を摘発
年間2億円売り上げ
無許可で医薬品を使う

医薬品の成分を含む健康食品を、厚生大臣や都道府県知事の許可を得ずに製造、
新宗教の信者を中心に販売されていたことがわかり、
神奈川県警生活経済課と横浜・港南署は十日までに製造、
販売した二社の幹部らを薬事法違反の疑いで取り調べ、
容疑事実が固まったとして、今週中にも書類送検する。

摘発を受けたのは、健康食品を販売していた東京都千代
田区隼町三の二、光和食品(堤タチ社長)と同社の依頼で製
造していた都内の自然食品メーカー。
摘発の対象になったのは「密教食」という名の健康食
品で、昨年二月までの約十四年間、無許可で製造、販売し
ていたうちの最近の製品。調べによると、光和食品は日本
薬局方で「医薬品」としで指定されている中国原産植物の
根茎を材料にした強壮、鎮静作用の「オンジ」など数種類
の漢方薬を含んだ密教食を自然食品メーカーに製造させ、
販売していた。薬事法では医薬品を含んだ場合、製造は厚
生大臣、販売は都道府県知事の許可がいるが、両社はいず
れも無許可のまま製造、販売していた。しかし、昨年三月
以後のものは、違反の医薬品の成分を取り除いて販売して
いる。」