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『近代地動説の登場

そのような背景のもとに、登場したのがポーランド人のコペルニクスだった。
彼は16世紀の初め、聖職者でありながら天体観測を続け、
アリストテレスやプトレマイオスの天動説では
天体の運行を正しく解釈できないことに気付き、
長い間書きためた手稿を1543年、その死の年に出版した。

この地動説を詳細に論じた書物は、
カトリック教会だけでなくルターなどのプロテスタントからも
『聖書』の記述に反する妄説として斥けられ、無視された。

しかしその影響を受けたジョルダーノ=ブルーノやガリレイが
さらに精密な観測で地動説の正しさを実証すると、教会は危険思想と断定し、
1616年にコペルニクスとガリレイの書物を禁書にした。

そして、18世紀にはケプラーやニュートンの精密な計算に基づく
天文学や万有引力の法則の発見などによって地動説の正しさが実証されたため、
天動説は完全に終わりを告げた。』

☆コペルニクス的転換と言われ、
他分野でも世界観が変るという意味で用いられるようになりました。
地動説は、天文学だけでなく、思想・宗教など様々に影響が波及し、
意識の変化をもたらしたのですね。