>>403
これだ!

「ヤコブ原福音書」19:2〜20:1 『聖書外典儀典第六巻 新約外典T』 八木誠一・息吹雄訳
www.kogei-seika.jp/blog/kanazawa/007.html

 そして産婆がほら穴から出ると、サロメが彼女に行き会った。そこで彼女は言った。
「サロメ、サロメ、あなたにお話しすべきかつてない光景があります。
処女が、自然では理解出来ない子を出産したのです」。
するとサロメが言った。
「主なるわたしの神は生きておられます。もしわたしの指を入れて彼女の様子を調べてみないなら、
処女が出産したことなど決して信じられません」。
 そこで産婆ははいってきてマリアに言った。
「身をととのえて下さい。あなたについて小さからぬ争いが起こったのです」。
そしてサロメは彼女の中に指を入れ、叫びをあげて言った。
「禍いなるかな、わたしの罪と不信仰は。わたしは生ける神を試みてしまった。
ごらん、わたしの手は火で燃え落ちてしまう」。


 ちなみに産婆は、『新約聖書』に登場しません。産婆について言及があるのは、
「ヤコブ原福音書」(2世紀)や「偽マタイ福音書」(7世紀初め)など、新約聖書の外典偽典で、
現在は聖典ではありませんが、中世の頃は人気でした。