*空(くう):二つの意味がある。

1.無我(むが)
あらゆる物は因縁によって四大(しだい)が和合したものにすぎず、時々刻々と変化するために、時間によらない個性は存在しないことをいう。(小乗)

2.平等(びょうどう)
物を差別あるいは区別しないことを『平等』という。
特に『我』と『彼』を区別しないことをいう。
自分と他人とを区別して意識することを顛倒(てんどう)した見解として、あらゆる苦しみの根本的な原因であると見なすことが仏教の特徴である。(大乗)


*無所得(むしょとく):一切のものは平等であり、区別できないと悟ったとき、得るという概念はもうなくなる。
何故かと言うと、その人は既に持っているからである。
人が覚るべきものは何もないと言われる理由でもある。

※所得(しょとく)とは執著し分別するの義。
無相の真理を体すれば心中に執著する所無く、分別する所も無し。これを無所得という。


*阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい):仏の覚り、あらゆる生き物が幸福になった時、または幸福になることを確信した時の心の境地。
また無上正遍知(むじょうしょうへんち)ともいい、一切の真理に通じる仏の智慧をいう。
仏とは一切衆生(すべての生き物)を既に幸福にした人、もしくはそのためのプログラムを確信して心に迷いが一切無い人。
そのような仏の心の状態を阿耨多羅三藐三菩提という