6.パウロは単なる一ローマ市民ではなく、ユダヤを支配するヘロデ王家の一員であった。ローマの信徒への手紙には、「アリストブロス家の人々によろしく。私の同胞ヘロディオ
ンによろしく」とあり、キリスト教は、ユダヤ人ではなくイドマヤ人のヘロデ一族から、エルサレムではなく、シリア・アンティオキアから始まっている。
あの世があるから、この世では我慢しろ、つまり、あの世には天国があるから、この世ではローマの支配に我慢しろというのがパウロの神学であり、「この世」での不満を逸らそうと、「国家には従え」とか「王を貴べ」とか「奴隷の身分にある者は、むしろそのままの状態に留まるがいい」「男は女の頭であり栄光である」等となる。