内山興正「興正法句詩抄」
『蒼穹』(あおぞら)
みつめても みつめても
みきわめきれない その深さ
明るく透きとおっているのに
み据えられない その奥行き
雲たちを思いのまま飛ばせながら
ゆきづまらない その広さ
地上一切までも やわらかく包んで
ゆるしている その大ほらかさ
有と無と分かれる以前のすがたで
蒼穹はある
有るかぎりの在るものも
すべてみな 蒼穹のごとくに
あるのではないのか
この私自身までもふくめて
内山興正著 『大空が語りかける - 興正法句詩抄』(柏樹社)p.6~7