よく、「人には自らの悪い心に打ち勝つこともできるんだ」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし、完全なる存在の前に、不完全なものは価値がありません。
人間が完全に与ることができるのは、自らの不完全を認め、完全な方を是とするときだけです。
そして、人間が生きるための完全とは、愛の完全だけなのです。
そして、そのような人間が、私たちがこの世界に存在しているということこそが、
私たちがキリストのために存在していることの証明であり、
即ち、キリストの証明なのです。

人間は、自らの不完全を受け入れ、愛の完全を受け入れることで、
人間自身では決して得られない、神の目的と完全に与ります。

神の目的は、キリストです。
神は、あらゆる可能性のうちから、愛の完全を、世界の目的に選ばれたのです。