過疎地の村営団地に住んでた頃
近所の子供たちとよく遊んだ
四人乗りブランコにのって
おしゃべりしたときのはなし

漕ぐかかりの私がガンガン漕いで
一通り喚かせたあと緩く漕ぎながら
おしゃべりははじまり

あれ、雨降ってきたね
あ、ほんとだ、と姉妹
雲の上で何かが
おしっこしてるかねと言うと
皆一瞬キョトンとしてから
姉妹がキリンかなあ像かなあと
始まりブランコの揺れと相まって
いい気分になって
おしゃべりしていたが
一人の男の子が
そんなことあるわけないじゃん

その時
カラスが鳴きながら通りすぎると
あ、何々君のおかーさんが
飛んでいった、と言ったら
ほんとだ、と姉妹
男の子は
そんなことあるわけないじゃん
と叫んで激怒して泣きながら
走って帰ってしまった
姉妹と私は顔を見合わせて
少し笑いながら何々君帰っちゃったね
しばらく緩く漕ぎながら
男の子が帰ってくるのを待ってると
帰ってきて、またブランコに乗った

私にあんまり変なことばかり
言うからいけないんだよ
もうあまり変なこと言わないで
と頼むから私はうんと答えた
みんなで笑った