『國訳一切経 阿含部2』438(114)ページ

好戦経
「是の如く我れ聞きぬ。一時、仏、王舎城に住まりたまへり。
乃至
尊者大目犍蓮路中に於いて一大身の衆生の身を挙げて毛を生じ、毛の利きこと刀の如く、其の毛火然え,
還って其の身を割くに、痛み骨髄に徹せるを見たり。
乃至
仏,諸の比丘に告げたまはく『此の衆生
は過去世の時、此の王合城に於て戦争を好楽し、刀剣もて人を傷つけぬ。巳に百千歳地獄の中に堕
ちて無量の苦を受け地獄の余罪にて、今此の身を得るも続いて斯の苦を受くるたり。諸々の比丘、大
目犍蓮の所見の如きは真実にして異ならず。当に之れを受持すべし』と。仏此の経を続き己りたまひ
しに,諸々の比丘、仏の説かせたまふ所を聞きて、歓喜し奉行しき。」