やれやれ
普通の伝統仏教は、それぞれの宗派の宗学と通仏教的な仏教学を修めるのだが
最近の若い人は『仏教学概論』かもですが
昔だと通仏教の基本のキが『倶舎論』なんですよ

通仏教の基本のキが『倶舎論』なのは、例えば九章が説かれていて
最後の四章が「賢聖品」「智品」「定品」「破我品」で、
「賢聖品」「智品」「定品」の三品が無漏を論じているんです。

さてあなたの「三品の無漏」は倶舎論ではなくて二巻鈔のやつです。曰く
「無漏には三品の無漏ということ候。三品と申すは、下品、中品、上品なり。
下品と申すは見道なり。見道と申すは、はじめて無漏の智の起こりて、
粗き障りを断ずる時なり。中品と申すは修道なり。
修道と申すは、無漏智の重ねてなおなお起こりて、細やかなる障りを断ずる時なり。
上品と申すは仏なり。もろもろの障り、みな断じ尽くして悟りの極まる位なり。
この三を、三品の無漏とは申し候なり。」

まず『粗き障り』をそぎ落として、次に『細かなる障り』をそぎ落として
最後に『もろもろの障り』をそぎ落とすとありますよ