>>489のテーマのカテキズムのスタンス1/2

310 神は、なぜ、何の悪も存在しないほどの完全な世界を造られなかったのでしょうか。神は無限の力を持っておられるので、つねによいものを造ることがおできになれるはずです。
しかし、神は無限の英知と善とをもって、世界を究極の目的に「向かう途上」のものとして創造することを自由にお望みになりました。
神の計画によって、この生成には、ある存在が出現すれば他のものが消滅し、より完全なものがあればより不完全なものも存在し、自然的な形成もあれば破壊もあることになっています。
したがって、被造物が完成に至らない限り、物理的善と物理的悪とが共存するのです。

311 理性的で自由意志を備えている被造物である天使と人間は、自由に選択し愛を優先させることによって究極目的に向かって進まなければなりません。
ここで、正道を踏み外すこともありえます。実際、彼らは罪を犯しました。こうして、道徳的悪が世界に入りましたが、これは物理的悪とは比較にならないほど重大なものです。
神は直接にも、間接にも、いかなる意味においても、道徳的悪の原因ではありません。
それにもかかわらず、神は被造物の自由を尊重して、道徳的悪を妨げません。
また、神秘としかいえませんが、そこから善を引き出すことがおできになるのです。
「全能の神は……、最高に善であられるので、悪からでも善を引き出すほどに力あるよいかたでなかったとしたら、そのわざのうちに何らの悪の存在もゆるさなかったはずです」。