宮崎哲弥氏は
>無霊魂説、無我説が究極の真理であるならば
>「輪廻転生が存在しない」のは理の当然である
『新世紀の美徳』(朝日新聞社)
と主張し彼が信奉する中観仏教正系帰謬論証派では輪廻を否定しているとしています。

逆に、宮崎さんは『憂国の方程式』(PHP)において唯識思想を
批判してこう書いておられます。

>唯識とは、まさしく、仏教のヒンドゥー教への融解のはじまり、 仏教解体の端緒となった「反動思想」である。
>阿頼耶識を個我の根本識、対象世界の諸法の根本因と看做すこの説は、無我説の意義を薄め、中観の空思想と鋭く対立した。
>仏教の認識論的 革命性に耐え得なくなった知的怠惰がインドの土着宗教、 神秘思想への回帰を促したのである。
>(中略)かかる仏教観が三島自身のものであったとしたら、彼の仏教理解は極めて浅薄なものであったと断ぜざるを得ない。(P130〜P131)