体罰が駄目なことは、今から800年ほど前に曹洞宗の開祖たる道元禅師も言及している。

たとえ師であっても、弟子に暴力を振るってはならないと。

弟子の悪口を言うこともなく、教え導かなければならないと。

とは言っても、道元禅師が中国に渡り、そこで師とした如浄禅師は、坐禅の時に居眠りしている弟子を、履物で容赦なく打ち叩いていた。

そして、如浄禅師は、弟子にそのことを釈明した。

本来は、そのようなことはすべきではないが、仏道修行のために、仏に成り代わってやっているのであるから、慈悲の心でもって許してもらいたいと。

それを弟子は、涙を流しながら聞いたという。そして打たれることを喜び、そんな師を褒め称えたと。

道元禅師は、かくあるべきである、とも言っている。