過去、未来、現在の如来は、ただ一法だけでは、無上のさとりを完成することはできない。

(1)貪欲のものには布施をすすめ、(2)規則をおかすものには持戒をすすめ、(3)怒りやすいものには、忍辱をすすめ、

(4)怠惰なものには精進をすすめ、(5)こころの乱れやすいものには禅定をすすめ、(6)愚痴のおおいものには智慧をすすめ、

(7)仁愛に欠けるものには、慈をすすめ、(8)人を傷害するものには悲をすすめ、(9)こころに憂いをいだくものには喜をすすめ、

(9) 愛憎のつよいものには捨をすすめておられる。

このようにして訓練をつづけていくならば、やがてすべての真理を悟ることになるであろう。


怠惰なものは、ふかい方便の海を解ることができない。
努力精進の力が完成することによって、仏の世界は浄められて行くのである。