●「止滅」という言葉

「ヨーガ・スートラ」の第一章の2番
YOGAS CITTA VRTTI NIRODHAHA
ヨーガは心の作用を止滅すること
というように訳されています。

「止滅」、というと、
止める、滅する、ですから、
心が止まって、消滅する、無くなる、
そのような意味かと思っていました。

しかし正直、これがどういうことなのか、わかっていませんでした。

考えが止まって、無になるような感じなのかな、と。

今回、お話を聞いてなるほどと思ったのですが、
止滅はサンスクリット語の「二ローダ」から訳されているのですが、
「二ローダ」は、問題を回避する、という意味があります。

ここでは、
望ましくないものから避ける、問題を取り除く、気づいている、より客観的に物事を見る、
ということなのだそうです。

ヴェーダーンタでの説明ならば、
アンタッカラナ・シュッディ
マインド(内側の道具)を綺麗にすることです。

私が止滅という言葉につけていた、勝手な意味の解釈のように、
間違った見方、偏った見方、主観的すぎる見方を取り除いて、
より真実に近い見方になること、それがヨーガの目的です。
https://www.smilebody-seitai.com/?p=14906

で、ヨガとは心の働きを止滅(客観視してコントロールする)する、のあとに続くのが

そのとき、見る者は、本来の状態(スワルーパ)にとどまることになる。

で、見る者は純粋鑑賞者、サンスクリット語ではプルシャという言い方をします。

私たちが普段使っているココロという機能。
自分の意識の全てだと思っている・・・反応・知性・自我意識。

プルシャとはそれと全く別個にある、ただ見る存在。
事象に巻き込まれることなく事象を眺めている存在。
ココロの反応に巻き込まれることなくココロの反応を眺めている存在。