マグダラのマリアの位置づけは?

ナグ・ハマディ文書U 福音書 岩波書店 荒井献・大貫隆 小林稔・筒井賢治 訳
【 フィリポによる福音書 】

§68 主はあらゆる技を秘儀の中で[行っ]た。
すなわち、洗礼と塗油と聖餐と「救済」と新婦の部屋(のことである)。
註:(1)・・・「救済」も葬送儀礼の一部となる。

§32三人の者がいつも主と共に歩んでいた。
それは彼の母マリヤと彼女の姉(妹)と
彼の伴侶と呼ばれていたマグダレーネであった。
なぜなら、彼の姉(妹)と彼の母と彼の同伴者は
それぞれマリヤ(という名前)だからである。

§55a不妊の女と呼ばれるソフィアは[天]使たちの母である。
そして[キリスト]の同伴者はマ[グ]ダラの[マリ]ヤである。

§55b[主は]マ[リヤ]を[すべての]弟[子]たちよりも[愛して]いた。
[そして彼(主)は]彼女の[口にしばしば]接吻した。
他の[弟子たちは]彼が[マリ]ヤ[を愛しているのを見た。]
彼らに言った、「あなたはなぜ、私たちすべてよりも[彼女を愛]されるのですか」。
救い主は答えた。彼らは彼らに言った、
《彼は彼らに言った》「なぜ、私は君たちを彼女のように愛さないのだろうか」。