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本則

玄沙が衆に示して云った、
「諸方の老師達は皆、衆生済度を言う。
しかし、三種の病人が来た場合に、どのように対処したらよいだろうか。
患盲の者は鎚を持ち出し払子を立てて(拈鎚堅払)も見えない。
患聾の者は言葉(語言)を聞くことができない。
患唖の者は説くことができない。
そのような場合どうすればよいだろうか。
もしこのような三種の病人を救うことが出来ないならば 仏法には霊験がないと言われても仕方がないだろう。」

ある僧がこの玄沙の説法について雲門に教えを請うた。
雲門は言った、「お前さん、それが知りたいなら礼拝しなさい」。
僧は礼拝した後起き上がった。
雲門はシュ杖を持ってつついた。僧は後ずさった。
雲門は言った、 「お前さん眼は見えるな」。
雲門は言った、「近くに来なさい。」
僧はその言葉を聞いて雲門の前に近づいた。
雲門は言った、 「お前さん耳が聞こえるな」。
雲門は言った、 「どうだ。分かったか?」。
僧は言った、 「分かりません」。
雲門は言った、 「お前さんはちゃんと喋れるじゃないか」。
僧はこれを聞いて悟った。