碧巌録(へきがんろく) 第82則   大龍堅固法身(たいりゅう けんごほっしん)

垂示

竿頭(さおさき)の絲線(いと)は具眼(ぐげん)にして方(はじ)めて知る。
格外の機は作家(さっけ)にして方(はじ)めて弁(べん)ず。
さて、そもさんかこれ竿頭の絲線、格外の機。



竿頭:釣竿の先。
絲線:糸。
竿頭の絲線:釣竿の先から垂れた釣り糸。相手がドレ程の人物か相手のハラを探り、釣り上げるため釣竿の先に付けた釣り糸。
格外の機:常識を超えた活機。
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垂示の現代語訳

相手がドレ程の人物か探り知るために、釣り針にエサを付けて釣り糸を垂らして相手のハラを探る。
この時相手が具眼の士であれば容易に釣り針に引っかかるようなことない。
相手が常識を超えた活機を示す時にはこちらが優れた見識を持ったやり手であって始めて相手の手の内を見抜くことができる。
それでは、相手のハラを探るために垂らす釣り糸(竿頭の絲線)、常識を超えた活機(格外の機)とはどのようなものだろうか?