脳波がフラットであっても、脳は生きており、意識がある可能性を排除できないのです。
脳死をほぼ確実に判定できるのは、一定時間の脳血流停止を確認することとされています。
その確認方法として脳の酸素消費を測定する脳代謝検査があります。
細胞は生きている限り、酸素を消費し、ブドウ糖を消費します。
細胞が死ねばどちらも消費しません。
こうして、理論的には、脳代謝測定が脳死判定の最終的手段とされています。

はたして、パーニア氏は、脳代謝検査などで、一定時間の脳血流停止確認後、つまりその患者の脳血流の完全な停止中にも意識があったことを確認して、「脳死後も意識は消滅するわけではない」と述べているのでしょうか。
しかし、それはまずあり得ないでしょう。
脳細胞の血流が一定時間完全停止すれば脳細胞が死滅し、脳の復活は絶対あり得ないので、そもそも完全な脳死中の意識内容を話すことができるはずがないからです。

このように、臨死体験によって、脳とは別に、消滅しない意識(魂)の存在を証明することにも、どうやら「挫折の法則」がはたらいているような気がします。