本日、我が街は熱波に襲われた。
日中野外では呼吸が辛いほどの陽炎立つ暑さだった。 

そして亜熱帯山村に住んでいる暇人さんのことを思った。
「きっと、毎日こんな非人道的暑さの中で暇人さんは畑で野良仕事をしているのだろう。
なんの因果で、こんな生き地獄で生きているのやら。」

と、思った瞬間、昆布君を思い出した。
「やはり神なんていないんだ」と、昆布君ならつぶやくに違いない。

こんな、暇人さんや昆布君に、俺は語るべき言葉を持っているだろうか?
そう思ったとたん、急に静けさに包まれた。
色々な音は聞こえて来るが、そんな中でやけに静かなのだ。

その時、俺は上を向いて空を見上げた。
雲一つない青空。そして茹だるような暑さ。・・・「美しい」・・・そう思うと神に感謝せずには居られなかった。