碧巌録(へきがんろく) 第86則?  雲門(うんもん)光明(こうみょう)     

試(こころ)みに挙(こ)す看(み)よ
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雲門文偃禅師、垂語(すいご)して云く、「人人尽(ことごと)く光明のある在(あ)り、看るとき、見えず、暗昏々(あん こんこん・まっくらやみ)。そもさんかこれ諸人の光明?」
自(みずか)ら代(か)わって云く、「厨庫(ちゅうく・だいどころ)三門(さんもん・正門)」。
又云く、「好事(こうじ)も無きには如(し)かず」。

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本則

 雲門がある時門下の人々に言った、「我々全ての人は尽(ことごと)く本来の面目という一大光明を持っている。
それは世界を把定した当体ともいうべきものである。それは、看ようと意識するトタンに見えなくなって真っ暗闇になってしまう。
それでは一体諸人の光明とは一体何だろうか?」
誰も答えないので雲門は自ら代わって答えた、「それは台所や山門だよ。」。
 又言った、「どんな好い事も何も求めることが無いのには及ばない」。
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すべての人々が持つ、一大光明を発する本来の面目(透関底の眼)とは何かを問う。

〇 父母未生以前(ふぼ みしょう いぜん)の光を見て来い、