ムーラマディヤマカ・カーリカー19

1 もしも現在と未来とが過去に依存しているのであれば、現在と未来とは過去の時のうちに存するであろう。

2 もしもまた現在と未来とがそこ(過去)のうちに存しないならば、現在と未来とはどうしてそれ(過去)に依存して存するであろうか。

3 さらに過去に依存しなければ、両者(現在と未来)の成立することは(無限遡及となってしまうから)ありえない。
  それ故に現在の時と未来の時とは(実有として)存在しない。

4 これによって順次に、残りの二つの時期(現在と未来)、さらに上・中・下など、多数性などを解すべきである。

5 未だ住しない時間は認識されない。すでに住して、しかも認識される時間は存在しない。
  そうして未だ認識されない時間が、どうして知られるのであろうか。

6 もしも、なんらかのものに縁って時間があるのであるならば、そのものが無いのにどうして時間があろうか。
  しかるに、いかなるものも存在しない。どうして時間があるであろうか。