2008年(主日A年) 10月26日 年間第30主日
出 22:20〜26  Iテサ 1:5〜10  マタ 22:34〜40

旧約聖書、特にその最初の六書には、数多くの掟と定めが集められていますが、言うまでもなくこれらは多くの時代のいろいろな社会的背景から生まれた法の集成から成っています。
ところがそれらの数々のの法が、旧約聖書ではすべて、シナイ山での契約に基づいてモーセに授与されたものとして編集されています。
それが旧約聖書の神学的意図であることを、私たちは理解しなければなりません。

この 出 vv.20-26 を、聖書の前後関係から独立させ切り離して研究することは、学問的には可能なことです。
しかし、イスラエルの民も、原始教会も、これをシナイ契約に結びつけて読み(出 24:3-8)、神の救済史の中に歩んでいる共同体としてそこから神のことばを聞き取って来ました。
“あなたがたは神に選ばれた宝の民である” という事実の上に立って、この人道的律法を大切にしました。
「あなたたちはエジプトの国で寄留者であったからである」(出 v.20)という過去の上に、今は選ばれた宝の民となっているということが重ねられて、初めてこの掟はイスラエルの律法であり得たのです。

同様に、“神を愛し、隣人を愛する” というキリスト教の信仰と倫理は、教会が御国を受け継ぐ民とされたという約束の上に成り立っているのです。
共に福音にあずかり、共に約束にあずかる者として !

・・・・・ 以下、本文参照。
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