2002年(主日A年) 9月15日 年間第24主日
シラ 27:30〜28:7  ロマ 14:7〜9  マタ 18:21〜35

罪という同じ語が使われてはいても、実際にはいろんな程度、いろんな種類のものがあります。
人に対する罪があり、神に対する罪があります。
個人に対する罪があり、共同体に対する罪があります。

現代は個人の主体性や尊厳が重んじられる時代なので、多くの人は個人的な人間関係の中での罪であれば、実感したり理解したりすることが容易です。
ですから、そのような罪に対して復讐するな(シラ v.1)、赦せ(シラ v.2)、憤り続けるな(シラ v.5)と語るシラ書の教訓は分かりやすいのです。

しかし旧約聖書の続編であるシラ書には、やや控えめではあるけれども、イスラエルの信仰をその前提にして、教訓が語られていることに注目したいのです。
シラ vv.6-7 の “掟” とは、神とその民である共同体の同胞を愛するという律法のことです。
“隣人” とは神との契約(旧約)による “共同体の同胞” のことです。
同胞に対する個人的な罪が、根源的には、その民をエジプトの国、奴隷の家から導き出した主なる神への罪として理解されているのです。

・・・・・ 以下、本文参照。
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