聖胎長養wiki
聖胎長養(しょうたいちょうよう)とは、菩薩道の長い修行において仏の果報を得ること、身体を愛護することをいう。
特に禅宗においては「悟後の修行」を意味し、一般にはこれを指すことが多い。

菩薩道
聖胎とは、仏の種子(譬喩的に仏となりうるたねを宿す)をいう。
大乗仏教の菩薩道を歩む修行の階梯を示す菩薩五十二位の中の十住・十行・十廻向を指し、ここまでは凡夫の位であり、この上の十地が聖者の位、妙覚において仏と等しくなる。
聖胎長養とは、修行して仏となる果報を得ること。
または仏道を全うするために自分の身体を愛護して長く養うこと。

悟後の修行
禅宗においては、見性を得た身心をさらに長く養い、悟りを育てる悟後の修行を「聖胎長養」という。
修行が済み、ある境地を得たといっても、それを真に無碍自在に活用できるようになるがために、容易に世に出ずに、さらに心境を錬ること。
人は一度悟ったとしても、慢心しているとすぐ迷妄に陥るからとする。

唐代初期の馬祖道一の『馬祖語録』「示衆」の「見色見心」にて、
「色の空なるを知るが故に、生は則ち不生なり。若し此の意を了せば、乃ち時に随いて著衣喫飯し、聖胎を長養して、任運に時を過ごすべし」とあり、
馬祖道一の門下の大梅法常、亮座主、大珠慧海は大悟したのち、聖胎長養にみな励んだという。