魔境について(抜粋)
色蘊の妄想
第一境
人を見ては、悲しみ泣き続けて止まらない。
第二境
人を見ると、自らを誇ることが比類ないほどであり、心持は仏も人も無視している。
第三境
始終、心を撮み、それを引っかけて一つ所に置く。
第四境
人を見ては自分から、「私はこの上ない悟りを得た」と言う。
第五境
手に刀や剣をしっかり持ち、自分の体を切り取り、命長らえることをやめようと願う。
第六境
人を見ては笑い大通りのそばで歌い、私は既に何者にも妨げられない解脱を得たと言う。
第七境
仏塔や先祖の廟への礼拝をしないで、仏像を壊し、仏教庇護の者に言う。
「仏像は金銅土木である。経典は紙や畳から作られたものである。真実の 仏を敬わないで土木を崇拝するのは誤った考えである」と。そしてそれを 深く信じる者はこの言に従って、仏像や経典を破り壊し地中に埋め捨てて、 人々を惑わせ間違いを起させて無間獄に堕ちる。
第八境
自分で悟りを得て満足したと思い、さらに修行しようという気持ちを求め ない。これらの者は多くは無聞比丘となって疑い謗り阿鼻地獄に堕ちる。