>>305-306,324-328,329
日本では毒物及び劇物取締法により塩化水素原体および10%を超える製剤 が劇物に指定されている。
例えばトイレ用の洗剤(「サンポール」。キンチョー)塩化水素9.5%を含有、市販されている。

ヘロインやコカインの製造にも使われ るため、麻薬及び向精神薬不正取引防止条約においてテーブルII 前駆体に指 定されている。

高濃度の塩酸、揮発した塩化水素に よりアンモニアと反応して白煙(塩化 アンモニウム)を生成する。


【危険性】
◎摂取- 消化器を激しく侵し、致命的になりうる。
◎吸入- 塩化水素に準じ、人体に有毒。多量に吸入した場合、肺水腫など を引き起こし、死に至る。

◎皮膚- 腐食性があるので、化学熱 傷の原因となる。

◎目- 角膜溶解、角膜白濁、角膜上皮 の激しい損傷を起こし、眼球穿孔や失明の危険がある。

◎分類の名称 :急性毒性物質、腐食性 物質環境影響 :酸性溶液である為、 水棲生物に対して有害な影響を及ぼす 可能性がある。
◎有害性 :眼、皮膚、 気道に対して刺激性を有し、高濃度の ガスを吸入すると、肺水腫を起こすこ とがある。これらの影響は遅れて現れる事がある。この物質は肺に影響を与え、慢性気管支炎を生じることがある。また歯を侵食する事がある。

物理的及び化学的危険性 :強酸、塩基と激しく反応し、腐食性を示す。酸化剤と激しく反応し、 有毒なガス(塩素)を生成する。空気 に触れると腐食性のフューム(塩酸) を発生する。多くの金属を侵して可燃性ガス(水素)を生成することが多くある。

【応急処置】
眼に入った場合 :早めに多量の水道水(流水)で15分間以上洗浄する。洗浄が遅れたり、不十分だと眼の障害を 生ずる恐れがある。すぐに眼科医の診断。

皮膚に付着した場合 :直ちに汚染された衣装や靴などを脱がせて、付着又は接触部を多量の水で洗い流す。直ぐに医師の診断。

吸入した場合 ; 直ちに患者を毛布等に 包んで安静にさせ、新鮮な空気が得られる場所に移し、できれば酸素吸入を行う。肺水腫を起こす可能性があるため、直ちに医師の診断。

飲み込んだ場合 :直ちに口の中を水 で洗浄し、大量の水を飲ませて医師の 手当てを受ける。無理に吐かせない。被災者に意識がない場合は、口から何 も与えてはならない。