評価表のなかで最も配点が高いのは、『死亡ひき逃げ検挙』の100点。
しかしこういった重大事件は、「宝くじに当たるより確率が低い」(前出・現役警官)ため、
地域課の警官たちは点数が稼ぎやすい項目に殺到するという。

「手っ取り早いのが、『巡回連絡』。犯罪の抑止や災害防止などを目的に、個人宅や事業所などを訪問する地域課員の主業務の一つです。
一番効率が良いのは、『コミュニティ・リーダー宅訪問』。町内会長だけでなく、当番で地区の見回りをしている人なども入れれば、
一つの町内で『リーダー』は10人以上になる。一人につき1点ですが、バカになりません。毎日のように、『リーダー』の家でお茶を飲んでいる者もいますよ」

一方、点数がなかなか稼げなかった者は、『自転車泥棒』の取り締まりで一発逆転を狙うケースが多いようだ。

「まず、『自転車占有離脱物横領罪』で30点。走っている自転車を止めて職質して検挙すれば、
『無から有の職質検挙』として50点も上乗せされます。常習犯とわかれば場合によっては身柄も拘束する。
そうなればさらに20点の追加。一気に100点獲得です。月の獲得点数の平均は100点前後ですから、
一件捕まえられれば『ノルマ』はクリアできるわけです。何日も連続して取り締まりをすれば、同じ人を呼び止めたりすることもしばしば。
『いい加減にしろ』と怒鳴られたりもするんですが、正直言って、いちいち相手の顔を覚えている余裕なんてありません」(別の大阪府警地域課員)