A子さんをナメ回すように見ながら出口刑事は、こう問い続けた。

「ふぅん‥‥尺八はするんですか?」 「コンドームはつけるんですか?」
「フィニッシュはどこで出すんですか?」
「奥さんが今日はちょっととか、無理やりとか、アブノーマルなことを強要したこととかないんですか?」
 
ここまで何とか具体的に答え続けていたA子さんだが、ついに怒りを覚え、こう答えたのだ。

「絶対にない」
 
そんなA子さんを横目で見ながら、さらに出口刑事は、こう追及し続けたのだ。

「(夫の性器の)反り具合は?」
 
その時、出口刑事は椅子の背もたれに身を預け、腕組みをして薄ら笑いを浮かべていた。
約1時間に及ぶ「凌辱取り調べ」で、A子さんは意識が朦朧として、強い吐き気を覚えたという。
 この間、出口刑事はメモさえ取らなかった。

それもそのはずで、“猥褻”部分のやり取りは調書にほとんど記載されていなかった。
つまり、A子さんは出口刑事の“プレイ”につきあわされただけだったのだ。