>>259の続き

●「明確な説明もなくトランクの中まで見られた」


 都内在住の自営業Bさん(60代)は、ある日、ホームセンターで買い物を終えて、駐車場にとめてあった車のトランクに購入品を積んでいた。
 そこに3人の警察官が現れて「トランクの中を見せてくれますか?」と話しかけてきた。

 客と会う機会のある仕事のため、ネクタイはしていないものの、普段から身なりに気をつかっており、怪しまれるいわれはない。

 「なんで見せる必要があるんだ」「なんの権利でこんなことをやっているのか」「令状も持ってこい」などと言ったが、「刃物とか、中に危ないもの持っている人がいるから」とだけで明確な説明をもらえなかったという。

 Bさんが逆に警察官の身分証明を求めたところ、警察手帳は見せてくれたが、スマホで、顔や手帳の氏名を撮ろうとしたら「ダメです」と言われた。
 「公務なら顔は撮ってもいいだろう」と言ったが、やはり拒否された。
 ダメな理由は答えてくれなかった。

 メモは構わないというので、1人の警察官の氏名や所属、階級を自分の手帳に書き記した。

 実は、Bさんは5〜6年前にも、同じ駐車場で職務質問をされたことがあった。
 そのときは、車内のグローブボックス(助手席の物入れ)を見せて終わったという。

「どんな基準で選んで職質しているのか聞きましたが、回答はありませんでした」

 トランクなど車内の確認が終わると、ようやく解放された。
 しかし、Bさんが車内にいる間、警察官たちはパトカーで駐車場をぐるぐる回っていたという。


「職務質問の根拠(※)には、『疑うに足りる相当な理由がある』と書いてありますが、自分には、そんな覚えはまったくありません。私としては、平穏な日常生活を脅かされた気分です。
 この年齢になって、なんで職質受けなきゃならんのかな、という憤りがあります。何を根拠にこのような仕打ちを受けるのか、非常に気分悪く、今後も不安に感じています」