【記事抜粋】
「泣き寝入りしなくてよかった」 歩行者に道譲られたのに「反則切符」、警察が処分撤回するまでの1カ月
2022年08月01日


 東京都内で6月25日、横断歩道にいる歩行者から「お先にどうぞ」と譲られたドライバーが、そのまま進行したところ、警察に道交法違反(横断歩行者妨害)で反則切符を切られる事態があった。

 以前からこの問題に関心を持っていた藤吉修崇弁護士が代理人として警察署に抗議した結果、7月25日付で処分が取り消された。


 事の経緯はこうだ。
 現場は、バス停などがある駅前の信号機のない横断歩道。右側から歩行者1人が渡ろうとしたため、Aさんは一時停止して見送った。まもなく左側からまた1人が渡ろうとしたものの、その場で止まり、手をひらひらさせて、車に対して前に進むよう促した。
 Aさんは「お先にどうぞ」の意味合いだと判断し、車を進ませた。

すると、すぐに警察官から止められる。
「すいません●●署です。なんでお声かけしたかわかりますかね? 歩行者いたので止まってほしかったんですよね」

「いや、お店から出てきた若い男性がこう(『先に行って』という合図)してくれたから行ったんですけど。それでも違反なんですか? 証人っていうか譲った人、まだそのへんにいると思いますよ」

「(譲った人がいた)事実があったにしろ、なかったにしろ、行っちゃったら違反です」

「そんな理不尽な…」


 反則金の納付期限は7月4日。
 警察署との交渉が始まった。藤吉弁護士によると、反則金を納付してしまうと取り消しはできないとの判例があるという。

 通常、このまま無視し続ければ出頭命令、最悪の場合は書類送検され、刑事裁判の手続きに進んでしまう。