SAPIO 2018年10月号
「現代に生きるファシズム」 佐藤優×片山杜秀 第二回 内閣府は21世紀のナチスか
ttps://comics.shogakukan.co.jp/magazine?cd=1409710118
佐藤優×片山杜秀対談 2度の粛清でおかしな官僚だけ残った
ttps://www.news-postseven.com/archives/20181011_754714.html
片山:森友問題をきっかけに噴出した官僚のスキャンダルの原因を2014年に設置された内閣人事局に求める向きがあります。
内閣人事局が作られて官邸が官僚の人事権を握った。その結果、官邸に対し、官僚が忖度しはじめて不祥事が増えたという
話です。佐藤さんはどうお考えですか?

佐藤:人事の問題ではあるのですが、押さえるべきは内閣人事局ではなく、2009年と2012年の政権交代です。1度目の政権交代で
自民に軸足を置いていた官僚は、民主党政権で粛清された。残った官僚も、民主から自民への再度の政権交代で要職を解かれた。

片山:まるでスターリンが粛清した後のソビエトのような話ですね。

佐藤:構図は同じですよ。結果として生き残ったのは二通りの官僚です。

 一つが義理を欠き、人情を欠き、平気で恥もかく、ごますり型の“サンカク官僚”。もう一つが、省エネ型官僚。典型がセクハラ
事務次官の福田淳一。彼らは絶対に政治家や上司とケンカしない。実現したい理想も定見もない。強いていえば、目標は出世。
だから強い政治家や上司の言うことを聞き、弱い政治家は無視する。この手の省エネ型の官僚は局長止まりだったのですが、
政権交代でチャンスが回ってきた。

片山:2度の淘汰と粛清を経て、おかしな人だけ残ってしまった。そう考えると連続する官僚のスキャンダルも納得できる。
ところで政権交代による官僚の腐敗や弱体化と反比例するように力を持った組織があります。内閣府です。