厚生労働省は10日、飼い犬と接触した徳島県の40代男性がマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を発症していたと発表した。男性と犬はともに回復している。
犬からヒトへの感染事例が明らかになるのは初めて。

 厚労省や国立感染症研究所によると、今年6月上旬に男性の飼い犬が体調を崩し、下痢などが続いたため動物病院を受診した。同月中旬には男性が発熱や下痢などをするようになり、
医療機関を受診。同月末になって犬がSFTSと診断された。男性は1週間ほどで回復した。

 男性は飼い犬にかまれていないが、体調を崩した犬の看病でウイルスに汚染された唾液などに触れ、感染した可能性があるという。

 SFTSの初期症状はだるさや発熱などで、5日〜6日後ごろから意識障害や出血が起きることもある。重症化しやすく、致死率は約20%とされており、特効薬はない。

 これまで西日本を中心に303人の患者が報告され、死亡例は全て50代以上という。今年7月には西日本に住む50代女性が野良猫にかまれてSFTSを発症し、10日後に死亡したことが判明。
猫からヒトへの感染事例はこれが初めてだった。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22077920Q7A011C1CR8000/