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賠償応じない受刑者に支払命ず 2015年001月08日 19時10分

平成13年に諫早市で当時小学1年生の女の子が殺害された事件をめぐり、
無期懲役の刑で服役中の受刑者が民事訴訟の判決で命じられた損害賠償の
支払いに応じていないとして遺族が改めて支払いを求めていた裁判で、
福岡地方裁判所は8日、受刑者に対し、およそ7000万円の損害賠償を支払うよう言い渡しました。

この裁判は平成13年10月、諫早市で当時小学1年生の娘を下校途中に連れ去られ殺害された
父親の川原冨由紀さんら遺族が、殺人などの罪で服役中の吉岡達夫受刑者を訴えたものです。

平成18年、吉岡受刑者に対し、およそ7000万円の損害賠償を命じる長崎地方裁判所大村支部の判決が確定したあとも10年間、
支払いは一度もなく、支払いを求める権利が民法の規定によって判決確定から10年で時効となるため、
遺族は去年10月、確定判決のとおりに支払うよう改めて裁判を起こしていました。

福岡地方裁判所の岡田健裁判官は8日、遺族の訴えを認め吉岡受刑者に対し、およそ7000万円の損害賠償を支払うよう命じる判決を言い渡しました。
また、遅延損害金も支払うよう命じ、遺族の弁護士によりますと、およそ4000万円に上るということです。

今回の裁判に吉岡受刑者は出廷せず、判決が確定すれば損害賠償の支払いを求める権利は10年間維持されますが、実際に支払われる見通しは立っていません。

原告の1人で娘を殺害された川原冨由紀さんは判決が言い渡された後会見を開き、「判決は当然の結果だと思います。
謝罪もなく損害賠償も支払われないという加害者からの理不尽な扱いは娘に対する冒とくで、娘の無念さや私たちの怒りを知ってもらいたい」
と述べました。

また、確定判決で認められた支払いを求める権利が10年で時効となることについて、「国に諦めろと言われているようでおかしいと思う。
国には大切な、宝のように育ててきた娘の命が突然消えた苦しみを分かってほしい」と述べ、
遺族が置かれている状況に目を向けてほしいと訴えました。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034253991.html