D警察庁が考える『いざという時』

 警察庁が犯罪組織公安警察に、犯罪を実行させる事で対処する『いざという時』とはどう
いう時か。過去を振り返えれば(下山事件、菅生事件、青梅事件、三鷹事件)等が先ず挙げ
られる。朝鮮戦争勃発直前の国際情勢の下、アメリカ服従を基本とする戦後保守政権にあっ
ては、共産勢力の国内伸張阻止は最重要政策であった。共産党の仕業に見せかけて、下山
国鉄総裁を殺害(下山事件)などの犯罪を執行させる事により、国内体制の引き締めが行な
われたのであった。しかし、これにより「共産勢力の国内伸張が阻止できたと」考えるのは
保守政権と公安警察の妄想である。この様な犯罪が行なわれなくも、当時の日本の保守政権
の基盤は磐石であり、共産勢力が取って代わる事は在り得なかった。それは、その後の国内
の政治的状況を検証すれば明らかである。
 これらの事件で、日本はとんでもない原罪を背負う事になった。保守政権と警察の自己
満足でしかなかった『いざという時』の為の原罪は、公安警察の「犯罪特権」を生み、後に
国民に多大な災いをもたらす事になる。