冷水浴や温熱療法、医療機関で受けられる特別な注射が、体の損傷による炎症への対処法として人気だ。これらの方法は、本当にけがや病気の治りを早めるのだろうか? 科学者らの研究によって、炎症はどのような場合にいい効果をもたらし、どのような場合に害を及ぼすのかという長年の謎の答えが、少しずつ解明されつつある。

「炎症は悪者扱いされています。だれもが自分の体の炎症をなんとかして抑え込もうとするのです」と、米カリフォルニア大学アーバイン校の整形外科医でスポーツ医学部門長のディーン・ワン氏は言う。「しかし、すべての炎症が同じではなく、制御された炎症は治癒に必要です」