山岳、渓流、イヌワシや雷鳥だけが心を優しくしてくれる。夏祭りの夜、哲治が村を
出るので金を貸して欲しいと、忠夫を訪ねた。いったんは承知した忠夫だが
哲治がホステスのいづみと一緒と知って
反対するのだが、結局二人は都会に向かった。女をわずらわしいと思う忠夫も
若い血はおさえ難く、牧場で働くレイコの
部屋に入り、女の匂いの残る布団を抱き、興奮を覚えることもあった。