羽田正(東洋文化研究所) 
 世界史の新しい叙述方法に挑戦、『イスラーム世界の創造』はアジア太平洋賞特別賞

日中・日韓間で繰り返される教科書や歴史認識の問題に見られるように、歴史はしばしば紛争の種となっている。また、皆さんがくぐり抜けてきた大学入試における歴史は、
単なる暗記科目で苦痛だとも言われる。歴史があるために、私たちはいらぬ苦労をしているのではないか。私たちにとって歴史は本
当に必要なのだろうか。この連続講義では、19世紀に成立した歴史学という学問の特徴と今日までの歩みについて概略を説明した後に、
現代世界においてなお歴史学が必要とされるなら、それはどのようなものであるべきかを論じたい。